マクガバン報告とは アメリカの1962年の医療費は316億ドルでしたが、 1975年には約4倍の1180億ドルに跳ね上がっています。 心臓病などの患者の増加による医薬品の増加、 検査の過多などによる医療費の高騰だったのです。 そのまま高騰が続けば国をつぶしかねないと肝を冷やしたアメリカは、 心臓病などの最大の原因と思われる自国の食生活の改善に乗り出しました。 国を挙げて食物の害を調べ上げ、医療費を抑えるため、 1975年にアメリカ上院栄養問題特別委員会が結成されました。 委員長が元大統領候補のマクガバン上院議員だったので、 俗に「マクガバン委員会」といわれました。 マクガバン委員会は二年かけて世界各国の食生活を研究し、 1977年に報告しました。 その内容は「アメリカ議会が過去150年に行った栄養問題に関する審議の総量をはるかに超える」ものであり、5100ページにも上った衝撃的な内容でした。 その内容 その報告書を一部紹介します。 「ガンはみな肉食の過剰によるものだ」(ハーシャフト博士) 「今世紀はじめ、ロンドンのある病院で扱う盲腸炎患者は年間わずか5人前後だった。 これが今では1000人を超えている。盲腸も食源病、20世紀の病気の新顔だ。」 (トロウエル博士) 「今アメリカをはじめ先進諸国では、押しなべて成人病という名の死病に取り付かれ、 莫大な医療費を注ぎ込んでいるが、はっきりいってそれは無駄な努力である。 現代医療は、外因的な障害にはめっぽう強いが慢性病にはからきし弱い。 外因障害は原因が単純だから用意に対処できるが、 慢性病のように長年の生活上の要因が複雑に絡み合って引き起こされた内因的な障害については、今の医学では残念ながら手の施しようがない。 ただ言えることは生活上の要因の中で最も重要な役割を演じるのは、 三度三度の食事である。」(クーパー博士) そして、マクダレン報告の結びは次のようになっています。 「先進国の食事はまったく不自然でひどい食事になっていた。そのことに誰一人気づかなかった。しかも、こんな内容の食事が、先進国に多いガンも心臓病も糖尿病も生んでいた。われわれは即刻食事の内容を改めねばならない。・・・・・」 まさに衝撃的な内容です、信じて疑わなかった現代医学、栄養学のあり方が間違いだとはっきりと指摘されたのだから。 食物・栄養とガン アメリカは引き続き1982年から再び二年にわたりガンと食物の関係を調べ上げました。 この報告も食事と病気の因果関係を関連付けたものであり、 マクダレン報告の正しさを後押しすることになりました。 この国を挙げた大調査に対し、食品関連会社からの突き上げはすさまじいものでした。 残念ながら、日本ではこの真実に満ちた報告もあまり知られていません。 何らかの圧力がかかっているのか、 それともあまり関心がないのかは定かではありませんが。 ちなみに、マクダレン委員会が世界各国の食生活を調べ上げた上で一番見習いたい食事形態として、日本の伝統食をあげています。 TOP 特集ページ | 牛乳が体に悪い!? (完全栄養食品の欺瞞) 牛乳の危険性、「完全栄養食品」に仕立て上げられた経緯。TVでこんなことやればスポンサーが激怒します。 | アメリカ型食生活の害 (マクガバン報告) 1977年、医療費の増大にあえぐアメリカはすでに現代栄養学の限界に気づいていた。国をあげた食生活の徹底調査。 | 塩と高血圧は関係ない!? 戦後のずさんな統計や実験で悪者にされてしまった塩、その冤罪と効能。 | マグネシウムの真価 近年、国際マグネシウム研究会などの研究でマグネシウムの重要性がわかってきました。不足すると心臓病に近づきます。 | 過食の害 飽食の時代、おいしいものがたくさんあって、つい食べ過ぎてしまいがちですよね。過食の弊害とそのメカニズム。 | ブランド卵は必要ない!? 企業利益優先で、不自然に栄養を加えられた卵。果たして本当に健康にいいんでしょうか? | 意味のない動物実験 年間30万匹のウサギがシャンプーや化粧品の動物実験で犠牲に。彼らの犠牲は必要だったのでしょうか? | ミネラルの重要性 人間の生命維持に欠かせないミネラル。まだまだその重要性は認識されていません。うまく取れば健康維持、生活習慣病、活性酸素にも効果あり。 | 薬漬けの養殖魚 せみ生け簀の中で飼われ、大量の抗生物質、抗菌剤をまかれています。養殖エビ、中国産うなぎの危険性など | がん予防14か条 世界がん研究財団・アメリカがん研究財団発表、がんにならないための14か条 | | |